弁護士に相続の相談・依頼をするメリット ～遺産分割やトラブルに向けてしてくれることは～

「相続」は、複雑な手続きや相続人間でのトラブルなど多くの問題が伴うものです。

特に相続人が多い、遺産の内容が複雑、遺言書に問題がある、相続人間で対立がある、などのケースでは弁護士のサポートが欠かせません。

なぜ弁護士によるサポートが重要なのか、当記事ではこの点に言及し、相続人にとってのメリットを解説していきます。

手続き面でのメリット

遺産相続に関してしないといけない手続きがたくさんあり、この手続きに関して弁護士に相談・依頼することには次のようなメリットがあります。

• 複雑な手続きもスムーズに進められる
• 期限に遅れにくくなる
• 遺産の調査や分割方法のサポートが受けられる

各点について詳しく見ていきます。

複雑な手続きもスムーズに進められる

相続手続きは、戸籍謄本や住民票などの書類収集から始まり、遺産分割協議の実施、遺産分割協議書の作成といったさまざまな手続きが必要となります。

これらの手続きは、法律や相続の制度について詳しく知らないと手間も時間もかかるものです。

特に、不動産や株式、その他特殊な財産が含まれる場合や相続人が多い場合だとさらに手続きが複雑になります。

そんな場合でも、法律の専門家である弁護士であれば必要書類の収集や作成、各種手続きの代行など問題なく対処することができ、複雑な手続きもスムーズに進めることができます。

期限に遅れにくくなる

相続手続きには期限が定められているものもあります。

例えば、相続放棄や限定承認には、相続を知ってから3ヶ月以内という期限がありますし、相続税がかかるときは遺産分割などを済ませて相続から約10ヶ月以内に申告・納付をしないといけません。

期限に間に合わないと権利が主張できなくなったり、ペナルティを課されたり、取り返しのつかない不利益を被ることとなりますが、弁護士に依頼することで効率的に手続きを進行させられるようになります。

遺産の調査や分割方法のサポートが受けられる

相続の手続きでは、手間や時間だけが問題となるわけではありません。

「そもそも何をどう動けばいいのかわからない」「どうやって手続きを進めるのかわからない」と悩む方も少なくないでしょう。

遺産の調査方法、遺産分割の方法など、過去に経験をしていたり専門知識を持っていたりしない限りやり方がわからないかと思います。

一つひとつ書籍・インターネットなどで調べていけば進め方も見えてくるかもしれませんがミスも生まれやすく大変な作業です。

この点、初めから弁護士に相談・依頼しておけば相続人自身で相続のルールを調べるところから始める必要はなくなります。

必要な情報のみを的確に教えてもらうことができ、手続きの難しさに悩む必要もなくなります。

紛争予防・解決の面でのメリット

遺産相続をめぐっては相続人間でトラブルが起こることもあり、そのときは、最低限しないといけない相続手続き加え別途紛争にも対応していかないといけません。しかし弁護士がいると次のようなメリットが得られます。

• 相続人同士のトラブルを回避できる
• 遺産の使い込みや隠匿などに対応してもらえる
• 遺留分など権利の主張をしてもらえる

相続人同士のトラブルを回避できる

まず大事なのは「トラブルを未然に防ぐ」ということです。法的紛争の事例、相続の事例を多く見てきた弁護士だからこそできるアドバイスがあります。

どんなケースで揉めやすく、その場合どう動くのが適切なのか、大きな問題が起こらないようにサポートができます。

遺産の使い込みや隠匿に対応してもらえる

相続財産の中には、預貯金や不動産以外にも、貴金属や美術品、骨董品など、換金性の高いものが含まれていることもあります。

これらの財産は他の相続人によって使い込まれたり隠匿されたりする危険性もはらんでおり、実際にそういった問題が起こると不正行為をはたらいた人物とやり取りしながら財産の返還や損害賠償などを求めることとなります。

このときの交渉にはトラブルも付き物で、正しい言い分を主張しても相手方との関係性によってはまともに対応してくれないこともあります。

しかし弁護士が窓口となって対処することで相手方も無視できなくなり、すぐに対応してくれる可能性が高まります。

精神的な面でのメリット

弁護士がついていることで、上述の通り、手続きが進めやすくなりトラブルも回避・解決しやすくなります。

こういったメリットに付随して「ストレスが軽減される」というメリットも生じ、また、「感情に流されず冷静に対応できる」というメリットも得られます。

ストレスを軽減できる

相続手続きに不慣れな方や高齢の方にとっては、手続きそのものが大きなストレスとなる場合があります。

しかし弁護士に依頼することで、ご自身で対応すべきことはかなり削減され、手続きにかかるストレスを大きく軽減させられるでしょう。

また、相続人同士の対立やトラブルが発生した場合でも弁護士が間に入りますので、直接話し合うことに対する不安も持つ必要がありません。

感情に流されず冷静に対応できる

特に遺産分割協議においては各相続人が自分の利益を主張し、対立が激化する可能性が高いです。

また、遺言の内容に不満がある場合や他の相続人から不正行為を疑われる場合など、感情的な衝突が生まれやすい場面もあります。

そうして感情に流されてしまうと冷静な判断ができなくなってしまい、建設的な話し合いもできなくなってしまうでしょう。

衝動的な行動によりさらなるトラブルに発展するおそれもあります。

そんなときでも弁護士なら客観的な視点から状況を分析し、法的な観点から最適な解決策を提案することができます。

交渉においても弁護士が代理人として冷静かつ論理的に対応し、感情的な対立を回避します。

特に弁護士を利用するメリットが大きなケース

弁護士を利用するメリットが特に大きくなる場面として、以下のケースを挙げることができます。

相続手続きに不安がある方やトラブルを避けたい方は、まずは弁護士に相談してみることをおすすめします。